【25/10/16更新】感覚で読む香料と精油とオイル(嗅がない香りの辞典)

『祈り歌』は調香師Miyakiの創作香油レーベルです。 芳香日誌
芳香日誌

ひとつひとつの香りは、まるでひとりひとりの人間のように個性があります。
調香して出来上がった作品は音楽のようでもあります。
みんなそれぞれ、自分の得意分野を生かして素敵に香ります。

香りの辞典を、嗅がなくてもわかるように伝えてみる試みです。
専門的なことは書いていない、感性だけの辞典です。笑

最終更新日:2015年10月16日

精油の偽物・本物の見分け方、バニラ精油についての情報を追記しました。

○○油のいろいろ

精油(エッセンシャルオイル)

せいゆ。エッセンシャルオイル。対象からさまざまな方法で蒸留した香料。
揮発する=100%精油は原則的に、時間経過で消滅する。
じつは偽物販売が跋扈しているジャンルでもある。

本物の精油はどこを見て買えばいいのか?
  • 値段。
    けっきょくお金の話なの!? 元も子もないですが、安価すぎるものは疑って!
  • 抽出法は「水蒸気蒸留法」「アブソリュート(Abs.)」「CO2抽出法(※高価)」のどれなのか?
    水蒸気蒸留法ができない精油に対し、「水蒸気蒸留法」と記載してある場合もあります……。
  • 原産国。
    原産国で香りやランクが違ったりします。
  • 抽出部位
    抽出部位で香りが違ったりします。
  • ロット番号
    管理体制の問題でもあります。
  • 成分表の有無・内容
    バニラ精油の場合だと、成分表に「Vanillin」が掲載されているか? など……。
    たとえば『生活の木』はお高めの精油に感じるかもしれませんが、成分表がちゃんと掲載されています。
  • 精油か、アブソリュートか、フレグランスオイルなのかが明確に記載されているか?
    怪しい安価な製品はこの辺があいまいなことが多いです。

合成香料だと理解したうえでその香料を購入するのはOKなのですが、天然精油だと思い込んで合成香料を購入するのは悲しいものがありますからね……。

合成香料=悪、ではないと私は思っています。
環境保護などの観点から天然では採取できなくなった香料の代用品として活躍する合成香料も存在します(代用ムスクがその筆頭ですね)。
それに、低品質の精油よりは高品質の合成香料のほうが良い香りだと思えるときもあるかもしれません。
なにごとも使いどころ次第ってことですね。

キャリアオイル

精油ではない、さまざまな対象物から絞った油。
化粧品や香油のベースオイルになる。
凝固点がそれぞれ違うので、冬場の環境によっては凝固するものもある。

大人気ホホバオイルは日本の冬場の室温で凝固することがあります……。

フレグランスオイル

香りのするオイル。雑貨。

創作レーベル『祈り歌』で制作・販売している「大和アター」はこのフレグランスオイル扱いです。

アロマオイル

香りのするオイル。おもに雑貨。精油100%とは限らず、合成香料も含まれる。

パフュームオイル

中東のアター香油(アラブ香油、アラビアン香油)はおもにここに分類される。

合成香料

アルデハイド

キラキラした香り。シャンパンの泡のように立ち上がり、パッとはじけて消える。
好みはわかれるが、作品全体の”輝度”を上げるのに最適。

官能的な香り

アンブレットシード(代用ムスク)

ムスクの代用といえばアンブレットシード。
穏やかに肌にまといつく甘やかな香り。

イランイラン

可憐で可愛らしい美少女を思わせる第一印象を持つ香り。
けれど数秒後に個性的な魔性が現れる、不思議ちゃんでもある。
官能的な香りとされる。

オポポナックス(オポパナックス)

樹脂の香り。

サンダルウッド(白檀)

サンダルウッド。白檀(ビャクダン)。線香でも有名な香りのひとつ。
肌の香りとさえ言われる、じんわりとした官能的な香り。東洋的な官能美。
問題は精油の値段が高いこと。

バニラ系

本物のバニラ精油はものすごく高価です。
そこで、さまざまな代用品が存在します。

バニラ精油

みんな大好きバニラ精油。甘い香り。大人気だからこそ偽物が多い精油でもある。

見分けるポイント
  • 「バニラ精油」は溶剤抽出(アブソリュート、Abs.)またはCO2抽出が基本である。
  • 成分表に「Vanillin」が掲載されていると間違いなく本物。

バニラ精油は、水蒸気蒸留法だと効率が悪すぎるので、もしも本当に水蒸気蒸留法ならばめちゃくちゃ高価になります。
にもかかわらず、水蒸気蒸留法を名乗りながら安価だと……ちょっと疑ったほうがいいかも?

水蒸気蒸留法でありながら超安価な場合は、別物の蒸留成分か合成香料か、成分うすうすの超低濃度蒸留(つまり香りが弱い、薄い)の可能性があるかも……。

食用バニラオイル

家庭でおこなう趣味の調香では意外と便利な存在。
香り単体ではあいまいだが、香りの作品では一滴を入れたとたんに全体が「調和」する。
焼き菓子でも食用バニラオイルを入れると、なぜか美味しく仕上がる。
そっと寄り添う母のような存在の香り。

ベンゾイン

安息香(あんそくこう)。深みのある甘さ。
静かに入り込んできて、忘れたころに甘いにおいを醸し出す。
トップノートで静かだからといってドバドバ入れると、ミドルノートでビックリすることに……(経験談)。
トンカビーンズと仲良し。

トンカビーンズ

ベンゾインと仲良しな甘い香り。より、バニラっぽい。深みを除いたバニラ然とした香り。
ミドルノートでいきなり甘い主張を始めるのもベンゾインと同じ。
トップノートで静かだからといって、ドバドバ入れてはいけない(戒め)。

重低音で支える香り

ベチバー

単品で嗅ぐと「???」となりやすい、沈黙の香り。
調香に加えると、低音を響かせて全体を支える。

パウダリー属性持ち

アイリスルート(オリスルート)

アイリス(イリス、オリス)の根の香り。
高品質なものはこれひとつでフローラルかつパウダリーな香りがする。
ただし低品質なものは沈殿した粉の香りがすることも……(パウダリーには違いない?)

シダーウッド

シダーウッド。杉(スギ)の香り!
静かでパウダリー。ただし、化粧感はないパウダリーみ。
樹皮の渋み、密林の重層感。影を引いて、陰を添える。
香りの輪郭をフワッとぼかしてくれる。

高級感

アンバーグリス(龍涎香)

アンバーグリス。龍涎香(りゅうぜんこう)。代用品は「ラブダナム」。
あると”作品から高級品の空気を醸し出させる”存在。
香水における「空間と余韻」を静かに支配する。

ラブダナム(代用アンバーグリス)

アンバーグリス(龍涎香)代用品。くすぶった革袋のような匂いとも表現される。
じつは正倉院宝物 蘭奢待(らんじゃたい)の香り成分のひとつだとか。
少量添加で作品に影響を与えられるのは蘭奢待の空気感ゆえか?

隠し味向け

パチュリ

さっぱりとした、甘くないのに優しい香り。
素朴な木陰のような落ち着きもある。

フランキンセンス(乳香)

フランキンセンス。乳香(にゅうこう)。
ミルクの香りを期待させる名称だが、実際に単品で嗅ぐと「???」となる香り。
作品に一滴足すことで、作品全体を”ひとつの空間”として整える。
静寂のスクリーンのような存在。

主役級

アガーウッド(沈香)

アガーウッド。沈香(じんこう)。線香の香りでも有名。
一滴で世界が変わる大魔王系精油だが、産地で香りにかなりの差異がある。
甘くてスモーキーで、苦くて、けれど甘い……。
問題は精油の値段がとても高いこと。

ティーツリー

すっきりとした、少しツンと感じさせる香り。清潔感を覚えさせる香り。
作品に抜け感、透明感を足すことができる。

ハッカ(薄荷)

さっぱり、すっきりした、清涼感のある甘い香り。ドロップで有名。
安価で手に入りやすい。

ベルガモットFCF

ベルガモット精油の光毒性がないもの。通常のベルガモットと香りは同じ。
さっぱり、すっきり、ハッとするシャキッとした香り。
トップノートでハッとさせてくれる。

番外編:その他材料

スイートアーモンドオイル

家庭でアター香油を調香するときに使いやすいキャリアオイル。
比較的安価なのがありがたい。
日本の冬でも凝固しづらい。
酸化しやすいのが玉にキズ。

ホホバオイル

家庭でアター香油を調香するときに使いやすいキャリアオイル。
比較的安価で手に入りやすいが、日本の冬場には凝固することがあるので注意。

スクワランオイル

過程でアター香油を調香するときに使いやすいキャリアオイル。
さっぱりめの感触に仕上げたいときに使うと良い◎
とても酸化しづらく、安定している。

グリセリン

ドラッグストアでも手に入りやすい、安価な材料。
市販のスキンケア用品、化粧水の中にもよく入っている。
保湿力、香りの定着力をアップさせる効果がある。
あまり入れすぎるとベタベタするので注意。